So-net無料ブログ作成
検索選択

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』  Way to another close story 3-02 [SPEC]

歪んだ都会の景色が視界の先で、あざ笑うかのようにゆらゆらと揺れている。

月の灯りを背に受けて、俺の顔を見つめる当麻が美しかった。
その真っ直ぐで、すべてを見通すような瞳は、
初めて会ったときとなんら変わっていない。

地上に囚われていた俺にとってお前は
一筋の光、たとえば天界より下ろされた、蜘蛛の糸。

今ここにある、すべてが、幻であるかのように。
お前はまた、この手から零れ落ちていくのか?
この幸せがこんなにも怖い。

俺はどうすればいい?
お前を失うことがどうしようもなく怖い。
お前に触れてしまったら、壊れて消えてしまいそうで怖い。
そんなこと言ったなら、お前は笑うだろうか?
「そんなのあなたじゃない」と呆れるだろうか?

俺はお前だが、お前は俺じゃない。
お前は俺の一部だが、お前は俺のものじゃない。

今の俺は、ただの哀れな男だ。
わかっていながら、お前を手に入れたいというこの欲望に抗えそうにない。



あの人が近づいてくる。
その顔に悲しみと怒りを湛えて...。

おまえがそこにいる。
その顔に哀れみとジェラシーを湛えて...。

ふわりと長い髪に手を伸ばす。
その柔らかさに心がざわつく。

愛おしそうに触れる不器用な男の手。
切なそうなその目に心がざわめく。

細く危うい手を取る。
絆を確かめあったあの日のように。

慈しむようにうごめく指先。
確かな温もりが肌を伝う。

抱きしめたい、そう思った。

抱きしめて欲しい、そう思った。

贖うことのできない思いが溢れだす。
止められないのは、男の本能なんかじゃない。

深い想いに涙が溢れだす。
逆らえないのは、恥ずかしさなんかじゃない。
nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』  Way to another close story 3-01 [SPEC]

月の灯りは人の心を狂わせる。

――わたし…きっと瀬文さんのこと愛してます。

「絆」
その言葉の裏側に愛が溢れてること
知らなかった?

「愛」というものの意味さえ分からないけど、
どうすれば「愛」を伝えられるのかも知らないけど。

左手を奪われてわたしは、女を捨て自分の心にカーテンを引いた。
決して開けない、そう誓った。

なのに、あなたの唇が「里子」と動くたび、
カーテンがゆらゆらと揺れるのが分かった。

あなたは私を守ってくれる。
けど、きっと私でなくても、あの人でも...命を懸ける。
そういう人だ。
そんなこと知ってたはずなのに...。
チクリと悲しみが体を走り抜ける。

あなたが見つめた瞳。
あなたの指が触れた髪。
あなたが繋いだ手。
あなたが抱いた腕。
あなたの手が包んだ頬。
あなたが愛した彼女。

嫌いだ。
でも、嫌いなのはきっと、そう思う自分自身。
彼女にも自分にも抱く嫌悪感。

気がつかなかった。
気づきたくなかった。
気づかなければよかった。
『嫉妬』その言葉の意味に…。

あなたの瞳に映りたい。
触れて欲しいこの髪に
抱いてほしいその腕で
包んでほしいこの頬を
愛して欲しいわたしの全てを。

あなたにそう伝えたなら、
「信用してないのか?」
そう言ってきっと困った顔をするんだ。

わがままだ。
そんなこと言える訳がない。
伝えられる筈がない。

あなたに対する恐れと愛しさ。
それは、まるで、
あの日、あの時降り注いだ毒の雪の儚さにも似て
少しずつ少しずつわたしを侵食してゆく。

触れたい。
この手であなたに残るあの女(ひと)を拭い去ってしまいたい。
わたしで埋め尽くしたい。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』  Way to another close story 2-02 [SPEC]

sebunyan.jpeg

「ここは俺がくいとめた…お前は幸せになるニャ…」って、だーっははっは!!
一目見た時からもうね、瀬文さんにしか見えない。(笑)

これ、ガチャガチャでゲットしたスマホホルダー。
クロがいるんですよ。別名:瀬文ネコ=せぶみゃん
勝手に名づけて愛用しております。\(^o^)/


時間と時空のレイヤーを次々と透過してゆく二人。

しばらく黙っていた当麻が声をあげた。

「あ、瀬文さんだ。多分」
「だけど...」

「だけど、なんだ?」

「刑事じゃないみたいっすね」

御真言を唱えながら歩いてくる瀬文らしき僧侶。
(何故、瀬文は並行世界から消えなかったかはこの際考えない、考えない)

それを見つけ手を振るご一行様の姿が見える。

「吉川さんにパンチーズ、係長もいますよ」

「で、結局俺は刑事なのか? 僧侶なのか?」

「また事件で負傷でもして、のんびり坊主ライフってとこですかねぇ」

――坊主ライフか...。

地居を倒してから、1年振りの再会。
二人とも、内心は嬉しいくせに態度は最悪。
しつこい取り調べからやっと解放された当麻が病院に訪ねていくと
逃げるように瀬文は山にこもってしまった、らしい。

――あの時、本当は嬉しかったんだが...

「わたしもですよ」

「ん? 何で俺の考えてることが分かったんだ?」

「つーか、思ったこと口に出てますよ。老人かっ?」

「うるせぇ!」

「パンチーズ、相変わらずカッケー」

瀬文がゆでタコになっていることはこの際スルーのつもりらしい。

もう、話は次の話題に移っている。

「あ、ほら青池さん。潤ちゃんも一緒ですよ」

ほれと言わんばかりに、瀬文の腕を引っ張る。

「潤ちゃん、瀬文さんに似てなくてかわいいっすね」

「・・・」
瀬文が拳を握りしめているのは言うまでもない。

「タケール。ウケール」
「ちゃかすな!」

それでも、幼い潤を見守る瀬文の目は優しい。

せっかくの柔らかな空気をぶち壊すような大声で、
当麻はインタビュアーにでもなったつもりか、エアーマイクを手に持ち質問を始める。

「1つ目の質問です」
「青池さんと付き合うきっかけは?」
「俺とつきあってくれ。とか言ったんですかねー。やらしー」

「ばか、やらしくない! が、そう言った」赤面。


「2つ目の質問です」
「じゃあ、何で青池さんと別れたんすか?」

「別に別れた訳じゃない...」
「急に連絡が取れなくなり死んだと聞かされていた。諦めたとでも言った方がいいかもしれん」

聞かなきゃよかった。

「嫌いになった訳じゃなかったってことですよね」

「だとしたら、なんだ。」

さすがに気まずい。


「3つ目の質問です」
「潤ちゃんが自分の子供だと思い込んだ理由は?」

「潤の年齢が俺と里子が付き合っていた頃と合うからだ。
 それに、二人とも結婚しようと思ってた。だから子供ができてもいいと思ってた。
 それだけのことだ」

撃沈。てか自爆。


「4つ目の質問です」
「潤ちゃんが本当に自分の子供だったらどうするつもりだったんですか?」
 1.青池さんと結婚する
 2.潤ちゃんのパパになる
 3.三人で幸せに暮らす

「って、全部同じじゃねーか!」
「バカかお前は?」

「妬いてんのか?」

「違いますよ」

違わない。ちっとも違わない。


少し沈黙していた当麻が大きなため息を一つついた。
そして大きく息をして、ぽつりと話し始めた。

「最初に会った時、以外に普通の人なんだって思ったけど
 実のところ、冗談通じないし、筋肉バカだし、ハゲだし」

「なんだとー、ハゲじゃねぇ、このブス! サカナ顔!」
といつもならテンポよく返すはずの言葉。
いつにない当麻の真剣な表情を見てしまった瀬文は返すことが出来ない。

「でも、『お前と出会えてよかった。と、たまに、一瞬まれに思う』
 なんて、言われてうっかり感動したり、
『お前は…お前はたったひとつの光だ。何があっても生きろ』とか
『俺が必ずお前を救う。お前も、自分を諦めるな』とか
 言われて信頼芽生えちゃったり...」

「『お前の手は温かいよ』と握ってくれた瀬文さんの手には、
 安心して自分の左手をまかせられる気がしたし...」

「『お前の抱えてる痛み、思いはお前だけのものじゃねぇ。
 俺も共に抱えて生きていく』とか
 『お前が再びスペックホルダーの道を歩もうが凡人として生きようがお前はお前だ。
  俺にとってそれは絶対に変わらん。それが俺の、思いだ』
 なんてまるでプロポーズもどきなこと言うだけ言っといて死んじゃうし
 悲しかったんだから。生き返ったけど...」

――え? 俺、一回死んでたのか?

「本当は、瀬文さんを私の人生に巻き込みたくなかった。
 瀬文さんにだけは幸せになって欲しかったのに。
 なんでいつもわざわざ自分から巻き込まれに来るんだ、このタコ!」

当麻の目頭に雫が光った。

何度も何度も命を救ってくれたのに
辛い思いをさせてごめんなさい。
わたしを撃つ時の瀬文さんの手が震えてたこと、
最後に無理に笑ってくれたこと
わたし分かってますから。

ずっと見守ってくれてありがとう。
約束を守ってくれてありがとう。

「来世で待ってろ」
って約束、果たせないこと悲しかった。

一人ぼっちで寂しくて、色んな世界を巡りながら、
誰かが見つけてくれないかと思ってた。
きっと無意識に瀬文さんを探してた...だから

言葉に詰まって黙って下を向いたままの当麻を
瀬文は、じっと見つめていた。

当麻はこぼれ落ちそうになる雫を手で拭い、無理やり笑って顔を上げる。

「瀬文さんだけがわたしを見つけてくれたことが嬉しくて、
 こうやって、またずっと一緒にいられることが嬉しくて...」

「でも、もう遅いかもしれないけど、宿命とか、そんなの関係なくて
 やっぱり、里中さんと小百合さんと梨花ちゃん...みたいな
 瀬文さんと青池さんと潤ちゃん...みたいな
 普通の幸せを...瀬文さんにだけは...幸せになって欲しい」

当麻の胸には、心の底からこみ上げてくる悲しみが、思いが、とめどなく溢れる。

瀬文の胸には、絞ったように悲しみと怒りが沸いてくる。

「バカヤロー!
 俺に与えられた宿命は、お前を殺すことじゃねぇ。
 お前を救うことだ!
 そして再びお前と出会うことだ」

「俺一人だけ、どうやって幸せになれって言うんだ!
 今更、里子のことなんか持ち出すな。
 潤だって俺の子供じゃないこと判ってんだろうが、このバカ!」

「無論、そういう関係だったことは否定しない。
 忘れたと言ったら嘘になる。
 だが、追想も男女の絆も過去のこと。
 第一、里子はもう俺を求めてなんかいなかった。
 俺も里子...いや青池を求めてなんかない。
 そうはっきりお前に言ってやれば良かったのか?」

「なに言ってんだ」
と一笑に付すことのできないそんな思いをあいつは読み取っていたに違いない。

潤がもし、俺の子供だとして里子が俺を求めたとして
それでも、お前の痛みを共に抱えて生きていくと言えたのか?

自問自答の結果出した答えに迷いはない。

――当麻、お前を愛してる。



二人の恋愛が成立しない理由
それは、当麻が自分の気持ちに鈍感なのと瀬文が自分の気持ちとかほっとくタイプなのと
当麻のくせに+瀬文のくせにという意地の張り合いが原因だと思われます。
でも、本当のところ、相手を思やり過ぎなんじゃねーの?
めんどくせーやつら!(ーー゛)

素直なんだか、素直じゃないのかわからない二人。
どこへ向かっているのでしょう? わたし...。
はい、それでも続きます。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』  Way to another close story 2-01 [SPEC]

続きといっても、また別の物語と思って下さい。
「来世」のお話ではありません。
未だ無間地獄を彷徨っております。 m(_ _)m

これは、二人の気持ちの考察篇とでも言った方がいいかもしれません。
しかも長いので2、3話ぐらいに分かれるかと思われます。(←言い訳長いよ)

では、一応数行下げますので、読んでやってもいいよという方はどうぞ。












眩い日差しに目を伏せたかと思えば、ほの赤い夕日に照らされ、
一面の暗闇に包まれたかと思えば、霞む朝日に吸い込まれていく。
春の薄桜、夏の天色、秋の深緋、冬の紫黒...季節は留まることを知らない。

地上にたどり着いたかと思えば、また違う景色が広がっていく。
幾重にも重なり連なる無限のレイヤー。
それは、千年の孤独いやそれよりも長くて深く果てし無い。

その中を、手を繋ぎ、目を閉じたまま二人はゆっくりと背中から落下し続けている。

瀬文と当麻の姿はにじみとなってぼんやりと浮かんでいるようだ。
頬を撫でる風だけが二人に優しかった。

当麻はいつもの見慣れたグレーのスーツに白いソックス、ぼさぼさの髪もそのままだ。
瀬文はこれまた見慣れた黒の葬式スーツに黒のニットタイ、浄化されたのか傷の一つもない。


瀬文が一瞬眉間に皺を寄せ、ゆっくりと目を開ける。
突然、何かを思い出したように叫んだ。

「当麻ーー!」

当麻がうっすらと目を開ける。

「何すか? 瀬文さん」

「ここはどこだ?」

当麻はあたりを見渡して言う。
「地獄っすよ、多分」

ここは、地獄というにはあまりにも眩しい青の世界。

「・・・?」

「瀬文さんが見つけてくれるまで、わたしがいたところですよ。
 いつまでも抜け出せないところをみると無間地獄ってやつです」

「なんだそれは?」

「無間地獄は地獄の中でも最下層、落ち続けて到着するまで2000年かかる。と
 しかも抜け出せないんです」

「そしたら瀬文さん、じいさんになっちまいますな」

「それは、おめぇもだろうが!」

「ところで、いい加減手離して下さいよ。どこにも行きませんから」

「あ、すまん」

中学生でもあるまいに、耳まで真っ赤にした瀬文は
もはや当麻の手と同化したような自分の右手を左手で引き離す。

当麻といえば、自由になった左をぶんぶんと振り回し
ちらりと瀬文を見てからくるりと下を向く。

「右目、見えます?」
「さっきまでひどい顔してましたけど」

「お前は、今でも・・・いや何でもない」

「ん、だとコノヤロー! 人が心配してやってんのに」

「うっせー、ブース」という声は聞こえない。
瀬文にとっては当麻の凶悪ズラさえ、懐かしいのだったこの時までは...。

「瀬文さん、ここってどこですかねー」
眼下に広がる景色から見知った場所を探しているようだ。

「だから、地獄なんだろ」

「そうじゃなくてー」

「・・・知らん!」

「瀬文さん、死んでも無愛想っすね」

「うるさい、ほっとけ!」

「ねぇ、瀬文さ~ん」
「紗綾と一緒で嬉し〜い? ねぇ、嬉し〜い?」

バキッ!
瀬文の鉄拳が飛んでくる。
さすがに、我慢の限界だったようだ。

「いっ、たー」
「なんで? 実体ないはずなのに」

ブツブツと誰に言ってるのかわからない文句を言い始める。

「いい加減、黙れ!」

相変わらずな二人である。

「いいっすね、こういうの」
とぽつりと当麻が言う。

「だって、今まで一人で寂しかったんですもん」
いつになく素直な(?)当麻の言葉に瀬文は胸が締め付けられるのを感じた。
当麻に向かって引き金を引いた瞬間を思い出してしまったらそりゃもう号泣必至だろうが。

そんな瀬文の思いを知ってか知らずか嬉しそうに当麻がはしゃいでいる。

「ほら、美鈴ちゃんがいますよ」
クイクイとある一点を指差している。

そこには地居におんぶされ嬉しそうに笑う美鈴ちゃんの姿。

「地居のヤツめ、美鈴ちゃんから離れろ!」

「左利きのこと嫌いみたいっすね」

「当たり前だ! あんなストーカー男」

「妬いてんすか?」

「妬いてねぇ、バカ!」

「わたしも、あんな風に地居におんぶされたことあるんですよね」
「お洒落して、レストランで食事して、そしてプロポーズされて...
 左手の薬指の指輪をこうして眺めたりして、ちょっと嬉しかったりしたり...」

自嘲するような薄笑いを浮かべる当麻の左手を
嘆きと殺気をを含んだ瀬文の目が見つめている。

「それ、地居が操作した偽の記憶なんじゃないのか?」

「地居と付き合ってた記憶は操作されたものだったけど、その時そう思ったのはホントです」

「付き合ってなかったことは思い出したけど、
 他の記憶のどこまでが本当でどこまでがニセモノのなのかは分かりません。
 ・・・ええ、ありますよ。思い出したくもない...女としては結構キツイ記憶もね」

――当麻

瀬文は言葉を発するのをためらうように息を飲みんだ。

だからって、俺が消してやれるのか?
抱きしめて慰める?
果たして、当麻はそれを望んでいるのか?
いや、当麻が俺のことなんて...。

だが、もし出会いが違っていたら、何か別の...
愛だの恋だのといった感情が芽生えていただろうか。

瀬文は遠い目をして空の青を見つめた。



この期に及んでも煮え切らない瀬文さんです。
素直な二人になったんじゃねーのかよー! 
というツッコミは聞こえない、聞こえない...。

瀬文さん、地居に向かって
「てめぇはムカつく、虫が好かねー、生理的に受け付けねー」とか言ってましたけど、
地居と当麻とラブラブしてるとことか見せたらどう思うかなとか
プロポーズされて女として嬉しがってる当麻のこととか、
一応付き合ってたということは...とか考える瀬文さんとか
意地悪なこと思いまして。

今度は、当麻に凹んでもらいましょうかねー。(←喜ぶドS)

どこかの記事で加瀬氏が語っていた、「瀬文が恋したらもっと違う感じになる」
という意味、最近かなり分かってきました。
瀬文さん、きっとあんなに毅然と冷静でいられないと思うんです。
萌えが欲しいとも思いますが、やっぱり横に並んで共に生きる二人が好きです。

ま、言ってることとやってることが違うような気がしますが...(^^;)


では、また。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』  Way to another close story 1 [SPEC]

注意)
もうひとつのラストということで本編と妄想を適当に混ぜてます。
ここは別名「妄想部屋」ということをご理解いただいていないと、諸々不愉快に感じるかもしれません。
もし、何かの間違いでここにたどり着いてしまった方は読まれないことをオススメします。
ので、数行下げます。













廃墟のような殺風景な檻の中。
ガラスのない窓。
トイレそして椅子が一脚。

部屋の真ん中あたり
粗末なパイプベッドの前に瀬文はいた。

白いシャツ一枚。
いつものジャケットもネクタイもない。
顔の半分は潰れ、全身傷だらけだ。

裸足で胡坐を組み、目を瞑り、
ただただ、じっと黙想している。
高僧のようなその姿は、凛として美しい。


刑事たちにいくら取り調べを受けようが何も話すつもりはない。
極刑を受けようが始末されようが悔いはない。
当麻をこの手で殺した罪は購うことなどできないのだから。



今の瀬文の虚無感を癒すものはない。
瀬文の胸の中に去来するのは当麻のことだけだ。

始めて出会った日のこと...あんな変な女忘れるわけがない。

里中先輩が死んだ時、不味いうどん作ってくれたっけ。
志村が死んだ時は牛丼を持ってきてくれたよな。
お前のさりげない優しさを大事に思ってる。


俺がいなくなって一番心配してくれたこと...
時には頼れと、仲間だと、帰りを待ってる、と言ってくれたこと...
辛いとき、いつもさりげなく傍にいてくれたこと...
お前を巻き込みたくはなかったこと...
思いは...言葉にすれば良かった。
不器用だな俺は...。


闇に落ちていく俺にとって唯一捨てたくなかった人の気持ち、
それがお前というたったひとつの光だった。


『俺が必ずお前を救う。お前も、自分を諦めるな』
その気持ちは今も少しも変わらない。

『人間の記憶ってのはな、頭ん中だけにあるわけじゃねえ。
 ニンニクくせえ人間のことはこの鼻が…この傷の痛みが…体全部が覚えてんだよ』
あぁ、今もこの体がこの痛みがお前を覚えてる。
例え地球がお前を忘れても、俺だけは絶対に当麻、お前を忘れない。


『闇に落ちそうだった私にとって今回は、瀬文さんが私の光でした』
そう言ってくれた、お前の手の温もりを忘れない。忘れられるはずがない。

自分の宿命を知った日。自分の宿命を呪った日。
それでもお前と出会ったことを後悔していない。


『お前の抱えてる痛み、思いはお前だけのものじゃねぇ。
 俺も共に抱えて生きていく』
その言葉に少しの嘘もない。

だから、俺はお前を待っている。

――当麻、お前は今どこにいるんだ


そこへ当麻がふわりと落下してきた。

――せ ぶ み...さ...ん?

当麻は懐かしい気配を感じた。
淡いにじみがややはっきりとその姿を現す。

――お前か

瀬文が顔を上げ正面を向く。
目は瞑ったままだ。

聞こえないはずの声を聞き、
感じないはずの気配を感じたのだろうか。

――当麻

右手を伸ばし当麻の腕をがっしりとつかむ。
その手を感じて当麻が目を開け瀬文を見る。

――瀬文さん

――もうどこへも行くな

当麻の腕を、強く、強く、握る瀬文。
瀬文の温もりが当麻に伝う。

二人の間に言葉はいらない。

その瀬文の手首を、当麻がつかむ――強く強く。

潰れていない方の左目を開け、右斜め上を見る。
当麻が、瀬文を見て微笑んでいる。

しっかりとつかまれた、腕と腕。
熱く絡まり合う視線。

「俺の傍にいろ!」

「瀬文さん、ありがとう」
「でも、わたしは...ずっとここにはいられない」

当麻の体は再び淡いにじみとなって
瀬文をつかむ手が離れていく。

「...さようなら、瀬文さん」

精一杯の笑顔で微笑む当麻。

「行くな! 当麻」

「約束したろ! 共に生きていくと」

「お前がここにいられないと言うのなら、俺が一緒に行ってやる」

――瀬文さん...

「どうせここにいても長くは生きられん。
 生き長らえるつもりもない。
 お前を殺した罪で地獄へ行けるならそれもいい」


「俺はこの手を離さん。絶対に離さん。何があっても離さん」

全身全霊を込めて、すべての愛を込めて、その手に力を込める。

「だから行くな! 当麻、一人で行くな」

恋愛感情をも超えた二人の壮大な愛に神仏が感応したのだろうか
当麻と瀬文の目からはらはらとこぼれ落ちた涙の粒は
きらきらと光り輝きながらあたり一面に広がると
やがて二人を優しく包み込み、一つの大きな光の玉となって上って行った。

後には、幸せそうに微笑んでいる瀬文の亡きがらだけが横たわっていた。


Thank you for having discovered me.
Unless now is dream, Please smile at me.
No matter how much time goes by, Please keep holding my hands.
I must be CLOSE to you.

私を見つけてくれてありがとう。
もし今が夢じゃないなら あなたの微笑みをください。
どんなに時が経っても どうかこの手を離さないで
私はあなたの傍にいなくてはいけないの。





当麻が瀬文さんを思い出している時に
瀬文さんにも当麻を思い出して欲しかった。
ま、イヤでも思い出してたでしょうけどね。とか
こんなシーンで終わってくれたら来世妄想が広がるなー
という妄想話でした。( ̄∀ ̄*)

宿命の二人が、宿命をまっとうするに足りる信頼感を築いていった
お話なのだとしたらそりゃ悲しすぎますもん。
愛は必要ですよ、愛は!(笑)

二人ともこうなってしまったことに後悔はないけれど
やっぱり、一抹の寂しさみたいなものはあるはず。
こういう形ではありますが、再び出会った時
素直になれない二人が何の矜持もなく素直になったんだと思いたいです。

しっかし、抽象概念さえ捕まえてしまう瀬文さんて、
ある意味どんなスペックホルダーより最強かもですね。
って言うか、ここまでやる瀬文さんて...最強のストーカー??(←オイ!)

で、これで終わりと思うでしょ。
でも、続きがあるんです。( ̄ー ̄)
だって、これじゃ瀬文さん目線すぎて当麻が何考えてんだか分かりませんもの。


恋愛感情をも超えた壮大な愛に ( ^^)Y☆Y(^^ ) 乾杯!
では、また。




nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』 8 考察篇  [SPEC]

以下、勝手な考察書いてます。お許しを... 。

先人類を復活させるというのはセカイ達なりの正義なんじゃないかと思うし、
セカイも絶対悪でもなく、現人類たちの所業については仰るとおりと言うしかない。

人間の可能性を信じる者と信じない者の戦い、でも
SPECを持つものと持たないものの戦い、でも
だからといって先人類と現人類の戦い、でもない気がする。
で、結局、何と戦っていたんだか?
SPECとは何だったんだ?

とか、
色々と考えると興味深そうなんですが、ま基本そのあたりはどーでもいいかな。 ヾ(ーー )ォィ
『瀬文焚流』についてというお題ならしっかりレポートにまとめますけど。(笑)


◆◇◆破裂したシャボン玉と雅ちゃんの世界◆◇◆

ドラマの第一話、当麻がCBCで餃子を食べながら「シュレディンガーの猫」の話をしています。
最初から『瀬かいは一つではない』のラストに繋がっていたんですね。

「シュレディンガーの猫」とは、(量子力学の難しい話はおいといて要略します)

箱の中の猫が死ぬ要素が50%ならば、蓋を開けて中を確認したとき、
猫が生きている確率は50%、死んでいる確率も50%と解釈しなければならない。
したがって、この猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっている。
というものです。

猫が生きている状態と死んでいる状態という二つの状態を認識することができるが、
このような重なりあった状態を認識することはない。

当麻が撃たれた直後に登場した2つくっついたシャボン玉は
まさにこの状態を表しているのだと考えられます。
そのうち一つが破裂した現象は誰も認識していないのでしょう。

この認識されていない世界にいたのがきっとメーテル雅ちゃん。
なのだと思っています。


◆◇◆「生と死」について◆◇◆

「シュレディンガーの猫」のお話は、京極夏彦さんの『姑獲鳥の夏』の中にも登場し
物語冒頭、壷とその中の干菓子とで説明されています。
そこに「ある」という状態と「ない」という状態が両方成立している。
そしてそれは認識次第なのだ。ということが鍵となっているお話です。
(この件については、この物語の方が分かりやすいかもしれません)

卑弥呼の言葉
「生と死を差別することに意味はない。
 他者が認じれば死者として生命を持ち、
 他者が認ずることがなければ、生者とて、死者の如し」

瀬文さんが当麻を認識できたということは、
当麻は死者なれど生命を持つと解釈すると幸せになれると、たまに、一瞬まれに思う。(笑)


◆◇◆「パラレルワールド(並行世界)」について◆◇◆

これを示唆する言葉は

卑弥呼曰く、
「汝のスペックを信じよ。左手ではなく、右の腕、
 すなわち、並行世界をつなげるソロモンの鍵」
「当麻、世界を救い、すべての八咫烏を引き連れ、地獄にこい!」

あと、『瀬かいは一つではない』でしたっけ。

 『瀬かい』って何んだよ!
 セカイと区別するため?
 はたまた、瀬文さんの世界なのかい?(んな訳ないだろうけども)


とりあえず、私的パラレルワールドの定義を書いておきます。

複数の地球が存在し、それぞれに同じような世界(時空)があり、
地球が何個も存在しているいること。
その中の一つの地球の歴史が変わったとしても、
それはその地球の正当な歴史であり他の世界には影響を与えない。
世界は最初から分岐していてここに存在する人間は、
たまたまその可能性の中のひとつということ。

 ならば、どこかの『瀬かい』の当麻が死んで転生を許されない状態だとしても
 別の『瀬かい』では『それぞれの当麻』が存在する。
 どの「瀬かい」からも当麻の存在が消えるはずがない。と思うんだけどどうなんだ?

タイムワープ、或いはパラレルワールドへ移動した場合、
「肉体移動」することになり同一人物が二人存在することになる。
ただし、同じ時間に移動する場合は,「精神移動」することで同一の人物の存在が回避される。
タイムリープの場合は地球ごと移動するので、同一の人物は存在しない。

登場した『瀬かい』をざっと分類するとこんな感じ。

①瀬文が当麻を撃ち殺した世界(※以下、これを「現世界」と表現します)
②当麻だけが存在しない世界
③SPECが存在しない或いは覚醒しない世界
④新しい物語が始まっている世界
⑤潤は5、6歳で存在している世界
⑥陽太は小学生で存在している世界
⑦瀬文と過ごした、数々の事件が当麻抜きで起こる世界
⑧留置所の瀬文がいる世界
⑨メーテル雅ちゃんがこおっちの手紙を読んでる世界

ハーロックとエメラルダスが
(とメーテルって、何のオマージュだよ! しかもハーロックが浅倉ならエメラルダスは誰だよ?)
「世界の歴史が、時折、巻き戻されていることに気づく者は、やはり誰もいないようだな」
地球ごとタイムリープしたことを言ってるらしい。
「生物の意識の数だけ世界はある。本当の意味での世界や時間を知るものはいなかったわ、当麻を除いてはね」
と言っていることから、

当麻は世界と時空を超えられる存在ということになる。
そして、現世界はタイムリープ(時間がどこまで巻戻ったのかが不明ですが)したということらしい。

これらのことから、②と③と④と⑤と⑥と⑦は時間軸こそ違え、
同一の『瀬かい(これをAの世界とします)』だと考えることが出来ます。
もちろん同軸の別々の『瀬かい』だとも考えられます。
が、どちらにしても現世界と同一という確証はありません。

⑨のメーテル雅ちゃんは前述のとおり。
一つの可能性としての世界で、今はなかったことになってると思ってます。

問題は、最高にして最大の謎、タイムリープ後の瀬文がいるのはどこなのか?
何故、タイムリープ以前の記憶を持っているのか?

瀬文が当麻を撃ち殺したことは少なくとも事実。
事象として当麻の亡骸があったこと、
瀬文は骸から浮遊していく当麻を見ていることから
現世界に当麻は存在していたということになる。
そこに存在している瀬文もまた現世界にいることになる。

記憶については、タイムリープしたにも関わらず、
時間軸は当麻を撃ち殺した直後のままだったことから、特異点だった。
ということで説明のつくものなのか?
あるいは、記憶を消されようが自力で思い出すことのできる瀬文だから?
はたまた、当麻への想いという名の執着心のためなのか?

では、「何人殺せば気がすむんだ!」とは?
一体全体どういうことになっているんだ?

志村の姿が(多分)なかったのが気になるけれど
瀬文的には当麻以外は、仰いで天にはじず「それでも僕はやってない」だろう。
結局、どんな理由で瀬文がサイコパス扱いになっているのかはいくら妄想好きでもそりゃわからん。

では、瀬文がいるのが現世界とするならば、

当麻が浮遊しながら瀬文と解決した事件を巡っている、その際に瀬文の姿があったことから、
留置場に存在している瀬文と同一と見なすと矛盾が生じるのである。

大体、『瀬かい』が一つであると考える方が無理。矛盾がありすぎ。

Aの世界がパラレルワールドなのか?
いや、Aがパラレルワールドなら現世界はどうなっているんだ?

はたまた、瀬文が「精神移動」でパラレルワールドへ移動したのか?
それじゃ、瀬文が見た亡骸から浮遊していった当麻はどうなるんだ?

QUOD ERAT DEMONSTRANDUM 証明終了...。とはなりませんでした。(--;)

まあ、いいっか。
きっと、自分なりに考察して楽しめってことでしょうしね。


ところで、渋谷の交差点を並んで歩いていた二人。
瀬文さんが左側で、当麻が右側だった。
当麻の左手がどうなっていたのかまではわからなかった。
三角巾してたなら、手とかは繋いでいないと思うし。
堂々と手でも繋いでくれてれば良かったかもしれないけど
関係性がまったく分からん!

よって、手を取り合った二人に見えなくて、
無限地獄に堕ちた当麻が瀬文に手を掴まれたからって実体化するとか、
単純に思えないわけですよ。

二人の想いを年表にでもしようと思ったけど
妄想話にしても面白そうだな、と。( ̄ー+ ̄)

では、また。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』 7 6の感想とかetc [SPEC]

『完結』

迫り来る人類の終わり

「あの呪術師には到底太刀打ちできない」

「みんなが助かる方法がひとつだけあるんです」

「わかったんです、なぜ一人の霊能力者を必要としていたのか」

「上田さん、さよなら」

「やまだ~~~!!」


どっかで聞いたことあるような。(笑)
「って、まんまじゃねーか!」(by 瀬文)

『TRICK』、北村一輝(吉川)さんも出てるし。
ぶはははっーーーーー!!!

映画館で思わず笑っちまいました。



『爻ノ篇』2回目を見て、気づいたこと。

『漸ノ篇』での冒頭とリンクするようにノマエのクローンたちがの(生活してた?)様子が冒頭で流れてた。

『漸ノ篇』で餃子ロボの身の上話があった意味。

ベッドに背中から倒れ込んだ当麻を心配した瀬文さんが抱きつくばかりの勢いだった。
止められなかったら確実に抱きついてたな、ありゃ。

瀬文を振り返る当麻、当麻を食い入るように見つめる瀬文の二人の世界。
しっかり、見ました。吉川さんの困り顔。

瀬文さん、ちょっと里子、里子言い過ぎ!!

留置場の瀬文さんが素敵過ぎる。


では、瀬文さんへの集団リンチの件からです。

おいおい、無抵抗の瀬文さんに何してくれてんのじゃ!
ごりゃ~!!( ̄皿 ̄メ)
と思いましたよ、ホントのところ。

もし、刑事たちが来なければ瀬文さんどうしたのかな?
ひとしきりボー然とした後、
当麻の亡骸を抱きしめて声を上げて泣いたのかな?
「俺も後を追う」の言葉通り、当麻の後を追ったんだろうか?

初見の時はそんなこと考えちゃって、
ジーパン? 青島? んなもん知らん!
最後に当麻に触れる時間も与えないのかよ。
とパロ刑事たちに腹が立ってました。

冷静になって考えるとこれは瀬文の自責の念の
メタファーなのかもしれないと思いもします。

当麻の死顔から何があろうとも目を逸らさず、
浮遊していく当麻を必死で掴もうとした執念? 本能? 愛?
どこまでも自分のことなんか考えてない。
そういう瀬文さんに感動と感涙です。

瀬文にとって当麻が自分の一部なんだとしたら、
失った目は当麻そのものだと思っています。


さて、映画初見後落ち込んだ理由が以下であります。

瀬文が無理に微笑みながら当麻に言った最後の言葉。
「来世で待ってろ!」

この言葉に、二人とも死んでしまっても
また来世で再び会えるものだと勝手に信じてたんです。
現世では決して交わることのない宿命だけど、
遠い未来には幸せになれるのだと思ってました。
微笑み合う二人の傍らに瀬文さん...
あ、いや当麻によく似た可愛い子供がいたらいいなぁ。
なんて。
それが、まさか当麻が輪廻転生できないだなんて...。
何も知らず瀬文さんが、当麻の後を追わなくてまだ良かったけど。
(パロ刑事たちのおかげなか?)

どっちにしても、何人も殺したサイコパス扱いで極刑?
それとも、非合法な感じの留置場に入れられてるから秘密裏に処分?

本人も生きている理由もなく、むしろ死んだ方が幸せだくらいに考えてそうだし
もし生きてそこを出られたとして、本物の修行僧になるくらいしかない。
だとしたら、来世で会うことさえ許されないのならいっそ大罪を背負った瀬文さんを
当麻のいる無間地獄へ落としてあげて欲しい。
言葉を交わすことができなくても肌の温もりを感じられなくても
二つの魂が寄り添うようにあてもなく果てもない無限の時間をただ一緒に漂っているだけというのも
この二人にとっては一つの幸せの形なのかもしれない。

当麻、瀬文さんをどうか連れてってあげて欲しい。
互いに繋いだその手をもう二度と離さないでいて欲しい。
瀬文さんが微笑んで死んでいけるならそれもいい。

この後、二人がどうなるのかはわからないけどとにかく幸せな未来は見えない。(T_T)

とそんなことを考えてました。(←どえりゃ~くりゃ~にゃ、おみゃーはよぉ!)
※ちなみに名古屋弁はネイティブであります。

美しいシーンなのに、今考えるとなんちゅーこと思ってたんでしょうか。(笑)

エンドロールの後の渋谷の交差点のシーンも赤いキャリーしか見えなかったし
別の「瀬かい」に別の二人が一緒に歩いてたってそれが何だよ!
くらいに思っちゃって、落ち込むというか、声も涙もため息すら出なかったという訳です。


パンフレットのこんな言葉に助けられました。

********** 当麻の最後の気持ちは野に咲く花のようなもの**********

戸田さん曰く、
「空中に浮かんでいる当麻はただただ「無」なんだろうと思います。
 そうなってしまったことに寂しさはあるのだろうけど、
 彼女は彼女なりに自分の宿命を受け入れている感じがするんです。」

「誰かがいつ自分を見つけてくれるんだろうか、というような。
 それを瀬文さんだけが見つけることができたっていうことに、
 とても感動しました。」

「ものすごく大きな愛でしかないような。
 「恋愛」という言葉では表せないほどの大きな愛が二人にはあったんじゃないかと思う。」


加瀬さん曰く、
「『結』以前は刑事の仲間同士の意識のほうが強かったのですが、
 『結』では、もはや自分の一部のような感じだったのではないかと思いながら演じていました。
 男女の感情ではない気もしますが、「好きだ」という感じが結構はっきりと出ていますよね。」


「愛」という言葉だけで心癒されました。
「好きだ」という感じが結構はっきりと出てる瀬文さんの
デレっぷりをもっと見たかったと言ったら贅沢かな。


ここまで理解して観る2回目はさすがに、自然に涙が出てました。
泣くというより、何か心の澱が流れ出したように涙だけがハラハラと落ちてきました。

当麻がいろいろな空間を揺蕩いながら瀬文さんと過ごした時間を見てたように
瀬文さんも、また当麻と過ごした日々を同じように思い出してたように思えます。


ここで流れてた、佐野元春さんの『彼女』の歌詞の抜粋ですが、

引き潮のように すべてが遠のいてゆく
影の中に残されて 彼女の歌は もう聞こえない
燃える夜を貫いて 彼女を愛していた
耳に残るささやきは 幻のようにくり返す

・・・・・

同じ季節の中で 二人は踊り続けた
何がいけないのか 教えて欲しいのさ

・・・・・

このまま闇の中に とけこんでしまいそうだぜ
僕だけが まだ夢を みているように

もうね、瀬文さんの心情にしか思えませんもん。
涙が止まりませんよ。。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。


浮遊していく当麻が見えた瀬文さんは、いつか当麻が自分のところに来るのだと信じてた。
自分の一部である当麻が自分の元に帰ってくるのを待っていたのかもしれませんね。

二人が手を取り合うシーンは本当に美しかった。
当麻はもとより、満身創痍萌えで倒れそうになるほど素敵だった瀬文さん。
ボロボロで傷だらけで血まみれな姿もなんてセクシーなんでしょう。(←オイ!)

この後、二人がどうなるのかは相変わらずわからないけれど
一番大事なのは瀬文さんだけが当麻を見つけられたこと、二人がまたこうして会えたこと。
当麻の心も、瀬文さんの心もきっと救われたこと...。
そこに「愛」はあったというだけで自分の心も救われたような気がします。
その愛の根源が、
刑事としての絆なのか、男女としてもものなのかそれも誰にもわからない。

ただ願わくば、神仏よ心からの二人の思いに感応してくれたのなら
渋谷の交差点を歩く二人がここで手を取り合った当麻と瀬文でありますように...。
二人がいつまでも一緒にいられますように...。

ということで、これもある種のハッピーエンドなんだって思えるようになりました。



それにしても、
主題歌 THE RiCECOOKERS『audioletter』もなかなか切ないですな。

これも訳して一部抜粋してみますと

I'm burning inside out
(心の中が焼けつくようだ)

だの

Rain that slowly amounts to pain piling up inside,
(ゆっくりと痛みにかわる雨が心の中を埋め尽くしていく)

だの

see I can't save you, I can't save you
(分かるんだ。俺にはお前を救えない。救ってはやれない)

だの

I sold my soul to you and now for you I'll die
(俺はお前のためにこの魂を売り 今 お前のために死のう)

だの、息が苦しいだの瀬文さんを想いながら聞いてるとこっちが苦しくなってしまう。


ドラマの時の俯瞰の画が当麻の目線だったと。。。ナルホド。。。
幸いドラマ版のblue-rayもノベライズもあるんで当麻の気持ちで
或いは瀬文さんの気持ちで『波のゆくさき』の歌詞も噛みしめつつ
もう一度見てみたいと思います。


あ、そうそう。
次は考察編であります。(←需要ねぇえぞ!)

では、また。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』 6 (※ネタバレあり) [SPEC]

電波塔の上には抜けるような青空が広がり
東京の街は、何事もなかったかのように日常に戻っている。

当麻が骸となって転がっている。
血の跡もなく綺麗なまま、ただ額に銃痕があるだけだ。

06-000.jpeg
瀬文は銃を構えたまま、その場に立ち尽くしていた。
唯一無二の存在を失った虚無感を抱えて――。

銃を持った複数の私服警官たちが階段を駆け上がってきた。

刑事たちに銃を向けられても瀬文はぴくりともしない。
何も考えたくなかった。抵抗する気などあろうはずもない。

刑事たちは瀬文の銃を叩き落として殴りかかる。
「何人殺せば気がすむんだ!」

殴る蹴るの暴力も、むしろ歓迎だ。
倒れた瀬文を立たせては殴る。もはや集団リンチである。

殴られようが蹴られようが瀬文の目は当麻の死に顔だけを追っている。

足蹴にされた勢いで瀬文は階段を転げ落ちる。
すでに体は言うことをきかない。
殴られた衝撃があるだけで、痛みももうあまり感じない。

刑事たちが無抵抗の瀬文をよってたかって踏みつけにする。
顔じゅう血だらけになり、朦朧としながらも、瀬文は屋上の手すりの向こうに何かを見つけた。

――当麻。

当麻が、空に羽ばたくように浮遊している。
もちろん、他の誰にも見えない。

瀬文は、その存在を掴もうと必死で手を伸ばした。

spec06-00.jpeg
――当麻。当麻。
行くな。届け。届け。

瀬文の目に靴底が迫ってきた。

眼窩と右目の潰れる鈍い音が響き、瀬文は暗闇に落ちた。




繁華街は、今日も大勢の人で賑わっている。
その喧騒をどこからか見ている者がいた。

「世界の歴史が、時折、巻き戻されていることに気づく者は、やはり誰もいないようだな」
地球ごとタイムリープしたことを言ってるらしい。

「生物の意識の数だけ世界はある。
 本当の意味での世界や時間を知るものはいなかったわ、当麻を除いてはね」

「当麻はその無間地獄の中にいる訳か」

蒼穹の彼方からゆっくりと落下してくる当麻のシルエットが見える。

幼い女の子が赤い風船を持っている...潤、なのだろうか。
その子の手から離れた風船とすれ違った瞬間、時空の滲みの中で当麻がうっすらと目をあけた。

そしてまた落下を続ける当麻の目に映るのは、

野々村係長、両親と陽太と葉子、みんなみんな。

そして蘇るのは、 spec06-01.jpeg
06-002.jpeg瀬文と過ごした、
数々の事件の日々だ。06-001.jpeg


新しい歴史も始まっている。

未詳では野々村、吉川、パンチーズが捜査会議中。
おしゃれした美鈴と彼氏の地居は、初々しいお似合いのカップルだ。
馬場は事件を解決し拍手を送られて誇らしげだ。
雅ちゃんの魅力に警官も犯人もメロメロ〜、特に猪股は猛アピール中。

しかし、どの一つにも触れることができずに、当麻の魂は孤独に通過していく。




留置所とは思えない、まるで廃墟のような殺風景な檻の中。
ガラスのない窓、粗末なパイプベッドとトイレ、そして椅子が一脚。

真ん中あたりにあるベッドの側に、顔の半分が潰れたような瀬文がいる。
ジャケットも着ておらず、いつもの黒ネクタイもない。 裸足で胡座を組み、目を瞑り、じっと黙想しているようだ。

そこにふわりと当麻が近づいてきた。
突然、瀬文が顔を上げ、目を閉じたまま正面を向く。

――お前か。

右側に当麻の腕を感じ手を伸ばし、 当麻の腕をがっしりとつかむ。

その手を感じて、 当麻が目を開け瀬文を見る。

spec06_love.jpeg
当麻の腕を、強く、強く、握る瀬文。
その瀬文の手首を、当麻がつかむ――強く強く。


静止している、赤と緑の波。
その三原色のずれが、一致した。

しっかりとつかまれた、腕と腕。
瀬文が、潰れていない方の左目を開け、右斜め上を見る。
目と目が合う。
当麻が、瀬文を見て微笑んでいる。
心からの思いに神仏が感応して、二人が相応じたような――。


天然色を取り戻した海がキラキラと煌めいている。 砂浜に寄せては返す波。
優しく優しくささやくように――。

someone who loves you must be CLOSE to you.
(あなたを愛する人はきっとあなたの傍にいる)




人ごみの中、黒いスーツを着た坊主頭の男と赤いキャリーバッグを引いた猫背の女が並んで歩いていく。
――のが見えたようで、その姿はすぐに雑踏に紛れ、定かではない。


『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』2回目、見てきました。

同じ映画を劇場で2回見るという経験は初めてでしたが
初見では見えてなかったものが色々と見えて良かったです。
もちろんエンドロールの後、渋谷の交差点を並んで歩く当麻と瀬文さんもね。

今度は、当麻が浮遊しながら見た情景、
特に瀬文と過ごした数々の事件、ほとんどが瀬文さんの後ろ姿なんですよ。
当麻がいない世界なのだろうけど当麻に気づかない瀬文さん、
それがまた切なくて、『彼女』聞きながら自然に涙が落ちてきました。

自分なりに考えて気持ちにケリをつけていたからか?
見たいものだけを見てたからなのか?
腑に落ちたというか、見終わった本当にスッキリしたし、ちょっと幸せな気持ちにもなりました。


なんだ、なんだ、この壮大なラブストーリー。(笑)

《someone who loves you must be CLOSE to you.》
結局、この一文を言いたかっただけじゃないの?

『CLOSE』=終結、のもう一つの意味。
『CLOSE』=応じる、ごく近くに、ぴったりと
この意味が実感できた。

幸せな気持ちになったのは、まあそういう理由です。


色々と自分なりにストーリーを考察したり、二人の関係性や気持ちの推移など
思うところもありますが、それはまた次回。

では、また。

nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』 5 (※ネタバレあり) [SPEC]

「当麻~~~!!」

――当麻は声のする方へ顔を向けた。

spec06-07.jpeg
屋上の端にガシッと手がかかり、
ぱっくりと割れた血まみれの坊主頭が現れ、続いて茶色い紙袋が・・・。

当麻の胸に安堵が広がる。

瀬文がフェンスを飛び越えてきた。
どこもかしこもボロボロだが、その姿は当麻にとって誰よりも何よりも頼もしい。

「当麻!」

瀬文の目が当麻をとらえた。全身、ブクブクとした肉腫の塊。
瀬文はショックで瞬きも忘れ、化石のように動けない。

《腐った肉・・・生ゴミ・・・》セカイが唱え始めた。


キターーー!!
というか、「瀬文、はよ来い!」ぐらいに思ってたんで、
しかも、そこからかよって場所からど派手に現れたもんだから
「出た~!」っていう感じでしたね。

当麻の声に呼応するように現れるナイト瀬文。
自分の頭がぱっくり割れてようが血まみれだろうが、
およそ当麻のことしか頭になくて必死で走って鉄塔登って
やっと再会できたと思ったら当麻この姿だもん。

さっきまでここで繰り広げられてたこと何にも知らなくて
遂に別れの時が来たのを一瞬で知ってしまった訳で
そりゃ、ショックで動けまい。

ところで、ちょっと突っ込んでいいっすか?
セカイさー、腐った肉...生ゴミってお前、朝倉か!


「瀬文さん!!、私はこの怨霊どもを閉じ込めたまま、冥界に行く。
 だから――討ち殺してください」

瀬文の肩がビクッとする。

変わり果てた当麻を見た瞬間に、心のどこかではわかっていた。だが――。

「早く!!」

それでも瀬文は動けない。情けないことに、体が震えている。

セカイの悪あがきが続いている。

「それしか手がないんです」

spec05-00.jpeg
瀬文の目じりに涙が滲んだ。

「瀬文さん!!」

顔も、腕も、足も、当麻は人ではないものへと姿を変えていく。

「当麻・・・」

――信用してますから。

spec05.jpg
瀬文は涙をこらえ、拳銃を構えた。

spec05-01.jpeg
「お会いできてだいぶ感動です」
未詳で顔を合わせた時の当麻の第一声だ。

04.jpeg
ケンカはしょっちゅうだ。
何であれ、当麻とはいつも本気でやりあってきた。

02.jpeg
SITの先輩だった里中の死を、二人で悼んだ屋上。

03.jpeg
後輩の志村が死んだ時も、当麻はさりげなくそばにいてくれた。

――あの生き生きとしていた目の輝きが今はどこにも見えない。

セカイが吐きかけてきた邪気が瀬文の肉を切り裂く。
しかし、そんな痛みなどまったく感じない。
痛いのは引きちぎれそうなこの心だけだ。

warm.jpeg
「お前の手は、温かいよ」
当麻の意外なほど華奢だった左手を握った時の、あの温かさを忘れない。

瀬文は銃を握りしめ、当麻の額に照準を合わせた。

最後に情けない顔は見せたくない。
瀬文は無理やり微笑んだ。

「当麻・・・来世で待ってろ」

――うす。

一瞬、いつもの凛とした当麻の姿が見えた。
それは、惚れ惚れするような美しい笑顔だった。

目の奥がじんとなる。

当麻はすでに意識がないようで、その時を静かに待っている。

瀬文は引き鉄に指をかけた。

スゥーと周囲の音が消えた。

――お別れだ。

spec05-02.jpg
瀬文の指が引き鉄を引く。


発射された銃弾が当麻の額に命中した。
そして、当麻は冥界の闇に背中から落下していった。


瀬文さんの心中は察するに余りある。
けれど、当麻の苦しみを思うと「早く撃ってあげて」とも思いながら見てました。

もう号泣するところですよ。
ただ当麻の姿が若干涙を奪ってますが(・・;)
いいんです。だっていつもの当麻の姿だったら瀬文さん絶対撃てないもん。

瀬文が当麻との思い出を回想していくシーン。
瀬文さんが辛そうに涙している切ない表情と数々の当麻の姿が重なって...
涙の一つも出てきてもいいところなのに...
号泣どころか、悲しすぎて涙も出なかった。

瀬文さんは銃を構えて大声で、「来世で待ってろー」って叫ぶかと思ってたんですよ。
野々村さんの時みたいに勢いで撃つかと思ったら、
涙でくしゃの顔で微笑むんですよ。
優しく語りかけるように言うんですよ。
「来世で待ってろ」って、やられましたよ。
せ、せぶみさ〜ん。 。・゜・(/Д`)・゜・。うわぁぁぁぁん
また、当麻がすんごく綺麗で。 (/□≦、)エーン!!

無音になる数秒間、息するのも忘れて見入ってました。

瀬文さんはこの時、来世では会えないこと、
当麻は生まれ変われないって知らないんですよね。

『翔』でも「当麻、お前は先に行け。いずれ俺も後を追う」なんて言ってたから、
今生の別れをしても来世で会う気満々だったはず。
爻ることのない運命なんだと思うと余計に瀬文さんが可哀想で...。(´_`。)グスン

戸田さん曰く、
「特に当麻と瀬文の出会いを思い出すと感動しますよね」

本当に、二人は出会うべくして出会ったんだなーと思えます。
悲しい宿命だけど、二人共出会ったこと後悔してないどころか
むしろ感謝してるんでしょうね、きっと。


宙を揺蕩っていたシャボンの泡がくっつき、
その一つが、スローモーションの速度でパンと弾けた。
無数に浮かんだシャボン玉の世界の色が、三色に分離して滲んでいく。
そして再びその滲みがシンクロし、分離した色が重なって、天然色を取り戻し...。



パラレルワールド(並行世界)やタイムリープのことは後々考察するとして、

ドラマの時から象徴的に登場してたシャボン玉。
ここでそのシャボン玉...なるほどという感じです。

因みにシャボン玉って命の象徴でもありますよね。
(シャボン玉という歌には夭逝した子供への鎮魂の意を見出す説もある)
潤の存在を知った瀬文さんが「俺に子供がぁ~!」
って叫んでたシーンでは子供がシャボン玉で遊んでたし。

二つのシャボン玉って瀬文さんと当麻みたいだなーと。
弾けて消えたのは当麻の命だと思うと、かなり切なかったです。



書きながら思い出しても、苦しくなるような場面でした。
でも、瀬文さんの泣き顔だけでご飯10杯いけるわ。(←オイ!)

では、また。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

『劇場版SPEC ~結〜爻ノ篇』 4 (※ネタバレあり) [SPEC]

promise.jpeg
最後に交わす「約束」はきっと愛の証


昨日、素敵な白昼夢のような現実を見ました。

形の良い坊主頭、ちょっとピンとした耳、黒(或いは黒に近い濃紺)のスーツ
すらりとしながらも決して華奢ではない身体つき、ピシッと伸びた背筋。
アラフォーだろうか?
そしてその手には...紙袋、じゃなくてマイバッグ。_l ̄l○lll ガクッ
(因みに場所は某大型ショッピングセンター内)

ん?
瀬文さん??
好きすぎて幻を見てるのか?
んな、アホな!!

そりゃ思わず目を擦って、見直しましたよ。

その時、その人が踵を返して振り向いた。(何かを探していた様子)
ドキっ!

思い切り、お顔を拝見させて「いただきました」。(←もはや不審人物)
瀬文さんというより、加瀬さんに近い優しげなお顔でした。

「ほ、惚れてまうやろーーー!!」((((((;++)'ゼエゼエ

因みにシャツは白でしたが、ネクタイは黒ではありませんでしたよ。(笑)

なんとも素敵な偶然に感謝。


「兄者」
セカイが渋い顔で卑弥呼を振り返った。

「先人類が滅びたのはガイアの意思だ言う」卑弥呼。
セカイが憤慨し反論するという歴史の授業かよという光景に
こともあろうに当麻は授業中よろしく居眠りをこいていた。

それに気が付いた陽太。
(〈ねるなっちょ〉の文字が小さく画面に映る)

潤までもがそんな武将的会話に巻き込むなと話を引き伸ばすもんだから、
とうとう当麻はいびきをかき始めた。
(瀬文と当麻が隣同士で寝ていたら、 いびきの応酬合戦が繰り広げられるに違いないい。
 寝言ですら喧嘩してるに違いないもの)


さすがにここは聞いておこうよ、陽太でなくともそう思う。

セカイはついに卑弥呼まで消してしまうと
太平洋、富士山(とともに餃子ロボも逝ってしまった)
日本海と次々にSWEEPしていく。

もう誰にも止められない。

ついにはスペックホルダー達をも次々と消していった。

「永遠に出ることのない無間地獄にぶちこんだ」
まるでゴミでも捨てるように言い放つセカイ。

「ざけんな!てめえ、絶対許さねえ」
当麻の怒りのこもった眼差しを、セカイは高笑いで一蹴した。

「じゃあ、これはどうだ」
当麻は顔色を変えた。里子を消す気だ。

「やめろ」
立て続けに銃を撃つがセカイには通じない。

里子の右腕が切り落とされる。
里子が絶叫した。
時間が戻ったのだ。

潤は里子を痛めつけることで、当麻を精神的にいたぶり楽しむセカイから里子を守ろうとする。
しかし、子供の姿に戻った潤と里子は母子像のように寄り添ったままセカイによって消されてしまう。
(瀬文がいなくて良かった)


「遅かれ早かれお前らはみんな死ぬ。聞け! すべてが終わる音だ」
セカイがパチンと指を鳴らした。

日本列島が二つに割れ、マグマが吹き出す。
足元がグラグラ傾いて、当麻はもんどりうちながらフェンスにつかまった。

崩落するスカイツリー。
埋もれてゆく国会議事堂...etc。
地上の崩壊するエネルギーがあちこちで落雷を引き起こしている。

「当麻! 死ねえ!!」
セカイが光る右手を向ける。

強い光は跳ね返され、セカイとユダが消えた。
当麻は完全金属化した餃子ロボを召喚し鏡として使ったのだった。

いつの間にか消えたはずの卑弥呼が立っていた。

「生きていたんすか」

「生と死を差別することに意味はない。
 他者が認じれば死者として生命を持ち、
 他者が認ずることがなければ、生者とて、死者の如し」


「汝のスペックを信じよ。左手ではなく、右の腕、すなわち、並行世界をつなげるソロモンの鍵」
「当麻、世界を救い、すべての八咫烏を引き連れ、地獄にこい!」
卑弥呼は両手を広げ、完全に消滅した。

その時、再びドーンと強い衝撃が天地を揺るがせた。
当麻の体は地面に叩きつけられ、餃子ロボはどこかへ飛ばされてゆく。

当麻は口から逃げ出そうとする八咫烏を気合で押し込めるとよろよろと立ち上がる。

黒い塊が当麻の腹を突き破った。
真っ赤に染まったその腹から八咫烏が濁流のように飛び出してくる。
当麻は前のめりにばったりと倒れた。

顔をあげた当麻の前には消えたはずのセカイとユダが立っていた。

「霊体をすべて引き受けて、実体を与えるのが、ソロモンの鍵の役目。
 それは次元を超え、冥界と、この現実界をつなぐ扉」
当麻は痛みをこらえ、途切れ途切れに言う。

すべては冷泉の予言したシナリオ通りだった...。

当麻は血の飛び散った和紙を取り出す。
「これが本物、冷泉のスペックなめんな」
「この野郎」
ユダの人相が悪くなる。
(いや、元々だろう。さらに悪くなったというのが正解だ。)


「あたしは命をかけてもてめえらを倒す!!」

何が当麻をそこまでして突き動かすのか。
いままで感じたことのないもやもやする感覚にセカイは苛立ち
「欲望にまみれたこの世界で、利権や主義都合で殺し合う人間に守る価値はあるのか」と問う。

「確かに、権力者の一部は守る価値のない奴等かもしれねえ、だが、あたしの仲間は・・・」

いつも二人の仲裁役だった、野々村係長。
愛すべきザコキャラのみなさん。
嫉妬を誘った里子さん。似た者同士だったのかもね。何より男の趣味が同じだった。
この後、当麻父が何故佐野さんなのわかった気がした。
当麻と違い巨乳の母。
(そういえば、瀬文って貧乳好き? ━┓_(`o´# ) 撃つぞ! by当麻・里子)
どこかすっとぼけた祖母の葉子さん。

数少ない当麻の友達、ナンシー。
いい男大好き。惚れっぽい、マダム陰・マダム陽。
いつも予言で助けてくれた、冷泉さん。
小悪魔キュートな陽太。
一度当麻にもその衣装貸してやって欲しかったよ、サトリ。(by 瀬文)
海野と地居...あ、書いてないわ。

瀬文に対してちょいちょい信頼以上の気持ちを抱いていた美鈴ちゃん。
それなのに瀬文にはいつも当麻のことを守ってやれという。
(やっぱり好きだったんじゃないか瀬文さんのこと)
瀬文さんがあのままSITの隊長だったら、当麻と出会うことがなかったら
瀬文さんと結婚して幸せになるという未来もあったのだろうか?
美鈴ちゃんの誕生日を祝う瀬文さん、優しい明るい笑顔、
とても嬉しそうで何より幸せそうだった。
当麻が見たら「この人、こんな顔して笑うんだ」ってきっと驚くに違いない。
酒乱の美鈴ちゃんの前だけで見せる草食系瀬文さんも好きだったな。

瀬文と当麻にあてられっ放しだった、お邪魔虫吉川さん。
散り際が潔すぎた、津田さん。

そして、筋肉バカ、またはハゲダコこと瀬文さん。(←(▼▼メ))
彼は当麻の誇りだ。

一瞬のうちに当麻の脳裏にみんなの思い出が駆け巡った。
「自分の命よりも、仲間を・・・この世界を大事に思う奴ばかり」>
「青池t潤をぶっ殺したあんたより、立派な人間ばかりだった」

「原始的な本能に負けたミジンコ以下の奴らだ」

「言葉を知らない奴だな。あれは『愛』っつー、もっとも大事な『人の想い』だ」

それに勝る美しいものを当麻は知らない。

セカイのその冷たい口もとに笑が浮かぶ。
廃墟と化していく東京の街が、上下に大きく振動する。

――時間がねぇ。

「ソロモンの鍵は、次元を超え、冥界と現実界をつなぐ扉。
 すなわち、パラレルワールドを一瞬重ねる力を持つため、
 結果として、不可逆性を持つ時間をも支配することが可能・・・。つまり・・・」
そこまで冷泉のメモを読むと当麻は力を失った。

風がその手から紙を奪い取り、そのまま砂嵐の中へ溶け込んでいった。

当麻が最後の力を振り絞って立ち上がる。

今度こそ終わりだ。
セカイがSWEEPしたが、
「・・・消えない!?」
その顔に初めて焦りの色が浮かんだ。

柔らかい光の粒子が降りてきて、当麻の体を包み込むように覆い始めた。
この光の粒は、みんなの『想い』だ。

励ますように、力づけるように、仲間たちの当麻を呼ぶ声がする。

「放たれし、すべてのガイアの悪よ。あたしと一緒に地獄へ堕ちろ!!」
落雷のような黒いプラズマが、恐ろしいほどの勢いで当麻の右手に吸い込まれていく。

セカイたちは数多の八咫烏と共に当麻の右腕に吸い込まれていった。

セカイとユダが当麻の顔の顔の一部の肉腫の中でもがいている。
当麻は拳を下ろして、地面を手のひらをつけた。
四つん這いになった当麻の足もとに、闇が広がる。

セカイは抵抗の言葉を吐き続ける。

当麻が自分に向けて引き鉄を引こうとした時、
体が反乱を起こしたように衝撃が走り拳銃が跳ね飛んでいった。

冥界から立ち上がってくる邪気。
激痛が当麻の体を翻弄する。

――もうだめなのか。

そう思った瞬間、当麻はその名前を呼んでいた。
「瀬文さ~ん!!」

この世で唯一、命を預けられる人。

「瀬文~~~!!」

当麻の魂が絶叫した。



このあたりの話は瀬文さんも居眠りこくかも?ですね。

要するに・・・
当麻の右腕はソロモンの鍵。
冥界と、この現実界をつなぐ扉でもあり、霊体に実体を与えることができる、
また、パラレルワールド(並行世界)を一瞬つなぐことで時間を巻き戻すことができる。
ということらしい。

セカイの言うことは最もで、現人類の行いを呪いたくもなるけど
末裔であるスペックホルダー達の行いを考えると
先人類たちとて同じようなものだと思うのは私だけでしょうかねー。

今回は瀬文さんがいなくてつまんない。
スペックホルダー達、みんなの想い、とっても感動的なんですけど
う〜ん。やっぱりもう少し瀬文と当麻の絡みが見たかったような...。

ちょっと寂しいんでちょっと瀬文さんの話でも。

瀬文という名前は『セブン(Seven)』と「Save me」が由来だというのはあまりにも有名ですが、
『セブン』といえば、「七つの大罪」をモチーフにしたサイコ・サスペンス。
「GLUTTONY(暴食)」「GREED(強欲)」「SLOTH(怠惰)」「LUST(肉欲)」「PRIDE(高慢)」「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」
中でも「WRATH」を背負ったのは主人公でしたから、
激怒するという意味ではホント瀬文さんそのまんまですね。

しかも、「瀬文~~~!!」つまり「私を救って~~~!!」と当麻は叫んでるわけですよね。
もうね、ぴったり過ぎてスゴ杉!!

そういえば瀬文さん、今頃必死で電波塔目指して走ってるんですよね。
まさか、砂場で...チーン。・・・ないない。
だって、心臓撃たれない限り大丈夫って堤監督言ってたもん。

当麻と一緒に瀬文さん待つことにします。
では、また。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。